注目オークション この一枚①

 ここでは国内・国外を問わず注目のオークション、注目の一枚を紹介いたします。10月29日に開催されるモナコMDCは2020年最大級で日本人の間に人気の高いコインが多数出品され大注目です!

 外国コインの老舗ダルマより「モナコMDCオークションNO.5」の代行入札の案内が届いた。このオークションはsixbid.comで情報が更新されて以来注目していたが、このような代行入札の案内が来るとは思っていなかった。それだけ注目度が高いということだろう。国内のオークションで入札した経験があるかたは多数いらっしゃるだろうが、海外オークションの入札するという機会は少ないので、はじめに簡単な流れをご紹介いたします。 

 海外オークションで入札するには二つの方法があります。①自ら入札する。先に紹介したsixbid.comに登録して、そこから入札することが可能です。初めての場合は、これまで取引したことのあるオークションハウスとかコインディーラーを記入する必要があります(ダルマさんとかオークションワールドとかを記入すれば十分でしょう)。初めての場合、sixbid.comの入札実績がないので、最高で入札できる額が設定されますが、これは日本のオークションでも同じです。あとは事前に入札額を決めて入札するか、あるいかLIVEオークションを見ながら入札していくという流れです。ここまでは、そんな困難なことはありません。が、注意が必要なのは手数料や関税、消費税の算出です。

 かんたんな計算式はこんな感じになります。

総費用=落札額×1,2(オークションの手数料が落札価格の20%の場合)×1.1(輸入品にかかる消費税。なおアンティークコインには関税はかかりません)×為替レート +銀行振り込み手数料。

単純化するためにコインの郵送費とか保険料はここに記載してありません。

 今回のモナコMDCの場合はユーロでの支払いなので1ユーロ=125円として計算すると100ユーロで落札した場合は、16,500円(+郵送費・保険料)、これにオークションハウス指定口座に代金を送金するための銀行手数料(たしか3500円だったように記憶してます)が加算されるので、総費用は19,500円になります。つまり落札価格の1.56倍になります。

 しかし最高で入札できる金額を超える高額なコインは個人では簡単にできないで、ダルマさんのようなディーラーに入札代行をするのが一般的です。この場合の計算式は下記のようになります。

 総費用=落札額×1.2(オークションの手数料が落札価格の20%の場合)×1.11(国内ディーラーの入札代行手数料)×1.1(輸入品の消費税)×為替レート

消費税の計算がもっと複雑ですが、ここでは単純化しております。個人入札と同じ100ユーロで計算すると18,315円で若干個人で入札するより安くなりますが、それでも落札価格の1.46倍になります。ですから海外のオークションで入札する際には、総費用は落札価格の50%増しと覚えておけば大丈夫です。

 さて、ここからはモナコMDCの中でも再注目の一枚を紹介いたします。

 ロットNO.595 フランス100フラン金貨 1861E PCGS SP66+ CAMEOです。プルーフ試鋳貨の完全未使用品。これは初めて見ました。同じくオークションに出品されているロットNO.673のフランス100フラン金貨1878年 NGC PR65 CAMEOはダルマの即売誌だったかオークションで現物を見たことがあるのですが、この試鋳貨は存在自体を知りませんでした。オークションスタート価格は20万ユーロ。レア度から言えば、イギリスのウナ&ライオン以上の価値はあると思いますね。さて注目の落札価格はどこまでいくか。今後のレアコインマーケットを考える意味でも大大注目です。これ外でもイギリスの5ポンド金貨、イギリス貿易銀の金打ち、ロシア12ルーブル・プラチナ貨など小生の好みのコインが目白押しです。オークション当日は平日の深夜ですが、寝ずにLIVEオークションを楽しませていただきます。

 以下はイギリス貿易銀の金打ち。貿易銀の金打ちはたまにオークションで見かけるが、この一枚は通常の金打ちに比べ厚みがあり、重量も30%ほど多い貴重な逸品。カタログの説明文によると1984年のスピンク、2015年のボールドウィンにも出品されたものと同一のコイン。ボールドウィンから5年後の登場だが、コレクターの金庫に入ると下手をしたら今後30年もオークションに現れないことだってある。

 ベテランのコレクターさんがよく言うことがあります。若くて時間がある(余命が長い)時には金がない。金ができたとしても今度は余命が少なく、目標のコインに出会うチャンス入手できるチャンスが減る。そこがコレクションの一番の悩みどこであると。

コイン収集歴30年 アンティークコイン図書館

外国コインを収集して30年のコレクターです。コイン収集の魅力に取り憑かれ、気がついたらオークションカタログや雑誌、参考文献、関連図書が山積みとなっておりました。いずれは棄てられてしまう可能性が高い書籍たちです。貴重な資料もあるので、その内容をWEBに残しつつ、コイン収集の魅力を紹介したいと思います。

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