超弩級コレクター列伝③ 高馬邦夫コレクション

 偉大なるコインコレクターを紹介するこのコーナー。第3弾は高馬邦夫コレクションだ。書棚に並んだオークションカタログを整理している最中に、このカタログがでてきたので是非とも紹介したくなった。1999年チューリッヒでHESS DIVOと日本コインオークションの共同主催で開かれたオークション。これが何がすごいかというと、日本人の名前のついたコレクションが本場ヨーロッパで開催されたことにつきる。コレクター列伝②で取り上げた大川功コレクションのように、コレクターは母国のコレクションをすることが多い。ところが。高馬氏のコレクションはヨーロッパの大型銀貨のコレクションで、しかも有名なダベンポートカタログに掲載されたコインのかなりを網羅しているということだ。

 ダベンポートカタログの正式名称は「EUROPEAN CROWN AND TALERS SINCE 1800」、つまり1800年以降のヨーロッパの大型銀貨のカタログということで、ヨーロッパのコインコレクターならば最優先でコンプリートしたいコレクションだ。高馬コレクションにはヨーロッパの夢が詰まっていると言っていい。全1039ロット、コンディションも抜群だ。コレクターは一度は夢を見る。自分の名前を冠したオークションカタログが世に出ることを。死後にそれを実現するコレクターはいるが、生前それを実現できたコレクターは高馬氏の他は多くない。

 蛇足① 海外コインの老舗ダルマの現責任者の高馬大三氏は、高馬邦夫氏のご子息だ。

 蛇足② 高馬邦夫氏は有名な切手収集家だったそうだ。エジプトのファルーク1世もコインと切手を収集していた。

 蛇足③ 2009年に日本コインオークションの主催で開催された「伊集院次郎コレクション」のカタログも出てきた。イギリスのクラウン銀貨の試鋳貨を含む全178ロットもコレクションも圧巻だ。このカタログも人気品薄となり現在25,000円でダルマで販売されている。海外でも個人の名を冠したオークションカタログは高値で取引されるケースが多い。

コイン収集歴30年 アンティークコイン図書館

外国コインを収集して30年のコレクターです。コイン収集の魅力に取り憑かれ、気がついたらオークションカタログや雑誌、参考文献、関連図書が山積みとなっておりました。いずれは棄てられてしまう可能性が高い書籍たちです。貴重な資料もあるので、その内容をWEBに残しつつ、コイン収集の魅力を紹介したいと思います。

0コメント

  • 1000 / 1000